活動レポート
REPORT

「災害時に支援活動で必要な車は何か?」車支援の体制づくりのための調査結果報告

2023.02.16

 2022年春から休眠預金事業を活用して"車の長期支援と災害に備えるための体制づくり"に取り組んでおり、その事業の一環で、車支援に関する2つのニーズ調査を行いました。その結果をご報告させていただきます。

  

結果グラフはこちら

  

《調査1.災害時に支援活動で必要な車は何か?》

●調査対象:全国で活動する支援団体24団体

●調査時期:2022年4月~12月

●調査方法:メール等でのアンケート依頼、直接ヒアリングの2パターンで実施

  

 災害時にニーズがあるが寄付では集めることが困難な車両の配備を目的に「車種のニーズ」について支援団体にアンケートを実施しました。ご協力いただいた24団体の回答から、

災害支援で1番必要だった車は、

▷1位「軽バン」「軽トラック」同率5票

▷2位は「大型のダンプ」3票

  

2番目に必要だった車の第1位は断トツで

▷1位「人が多く乗れるワゴン車」 6票

▷2位「軽トラック」3票

  

 また、駆動方式(2駆・4駆)の必要性を確認したところ、58.3%の団体で4駆が望ましいという結果がありました。ミッション(オートマ・マニュアル)の必要性については、83.3%の団体でオートマが望ましいという結果がありました。

  

 調査の結果に基づき、車の寄付で集めづらく支援活動で必要とされる車として「4駆ATのダンプ(予算の関係上軽ダンプ2台)」、「大型ATのワゴン車」、「4駆ATの軽バン」を本事業で購入し配備させていただきました。

  

  

 早速静岡での支援から活用開始しました。これらの車両は今後の災害で支援活動に大いにご活用いただき、被災者支援をバックアップできることを期待しています!

  

  

《調査2.長期利用者のニーズは何か?》

●調査対象:令和3年8月豪雨被災者6名及び支援団体3団体

●調査時期:2022年12月~2023年2月

●調査方法:メール等でのアンケート依頼、直接ヒアリングの2パターンで実施

  

  

 被災された方々で車を長期間必要な方が「どんな状況でどんな支援が必要なのか」を今後の支援のための参考とするため、長期利用を希望された令和3年8月豪雨の被災者と支援団体に、実際に車を長期ご利用いただいた上でアンケートを実施しました。

  

あなたにとって車の無料貸出支援期間は発災後どれ位が適切でしたか?(被災後からの期間)

  

被災者:

▷1位「3~5ヶ月」4票(全員乗用車利用)

▷2位「6ヶ月」「12ヶ月」同率1票(全員軽トラック利用)

  

 車を被災された方は、車の購入までなかなか手が回らない方や納車までに時間がかかった方が「発災後3~5カ月」は車の無償貸出し支援が必要との回答。通勤や買い物、子供の送迎など、日常生活に車が必須との回答でした。軽トラックを利用された方からは、「発災後6ヶ月~12ヶ月」は必要との声があり、発災直後の家財等災害ゴミの搬出と後日の引越しにて利用したためとの回答がありました。

  

支援団体:

▷1位「6ヶ月」2票(乗用車、軽トラック利用)

▷2位「12ヶ月」1票(乗用車利用)

  

 支援団体は、ボランティアの送迎や自団体の支援活動のために乗用車が「発災後6ヶ月~12ヶ月」は必要だったという結果。また、家財及び瓦礫の片付け・搬出支援を行うにあたって軽トラックを利用され「発災後6ヶ月」は必要との回答がありました。

  

 今回のアンケートやヒアリングの結果から、被災者の長期利用に関しては、1.自宅修繕後の引っ越しのための軽トラ需要、2.経済的な事情から車の手配が難しかった方、3.自動車の納車に時間がかかっている方の主に3パターンのニーズが確認できました。支援団体の長期利用に関しては生活支援を長期的に行う地元の団体の活動車のニーズが確認できました。これらのニーズにどう応えていくか今後検討してまいりたいと思います。

  

  

 アンケートにご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。大変有意義な調査結果を今後の災害支援において参考にし、しっかり取り組みを進めていきたいと思います。これからも被災者の方々の生活復旧の後押しとなるよう、各支援団体とも協力して活動してまいります。