令和6年10月25日、仮設うかわ団地の集会所で「うかわカーシェア会」の設立総会が開催されました。能登半島地震で被災した能登町鵜川地区でうかわ団地の住民を中心に、7月からコミュニティ・カーシェアリングのテスト運行が行われていました。
3カ月のテスト運行を経て継続して取り組むことの合意形成がなされ、北陸地方で初のカーシェア会として正式に発足されることとなったのでした。
今回の設立の背景には、地域住民の協力に加え、自治体と地元事業者の支えがありました。能登町役場は、7月に宮城県石巻市でのコミュニティ・カーシェアリングの現場を視察したのち、活動経費の一部を補助する制度「能登町コミュニティ・カーシェアリング補助金」を新たに設けました。さらに、能登町の地元のお店「マッハコーヒー&Ayako’s kitchen」がスポンサーとして申し出てくださり、地域全体で支え合う体制の元スタートしたのでした。
この日行われた設立総会は、最初に「うかわカーシェア会」会長に就任された一谷会長の決意の挨拶ではじまりました。
「仮設住宅を中心に活動を始めましたが、今後は鵜川地区全体に活動を広げていきたいと考えています。皆さんの協力を得ながら、地域全体でカーシェアを活用できる体制を整えていきます。」
能登町の大森町長とスポンサーである村上代表も出席し、祝辞を述べました。大森町長は町で創設した支援制度を紹介しながら
「公共交通の再開が難しい中、住民が主体的に進めるこの活動は、喜ばしいことです。他地域のモデルにもなり得る。無理のない形で長く続けていただきたい」と述べ皆を気遣いながらも、町として支援していく姿勢を伝え激励されました。
村上代表はコーヒー豆と焼菓子の売上を原資に支援を行っているため、背後に多くの支援者がいらっしゃることにも触れながら
「皆さんの生活の中で車が役立ち、元気になっていただけたら嬉しいです。」
と語られました。
役員が承認された際に役員の皆様からの意気込みや、地域への思いが語られました。
*「無理なく長く続けられるよう、地域の皆さんと協力し合いながら進めていきたいです。」
*「皆で明るく楽しく元気よく活動にしていきたい。」
*「地域の皆さんのお役に立てるよう、必要な時にはどこへでもお連れします!」
*「カーシェアを通じて皆さんの生活が少しでも便利になれば嬉しいです。」
うかわカーシェア会は、普段は毎週水曜日の買い物ツアーや通院支援として利用され、日常生活を支える重要な役割を果たしています。総会の中で、利用者の方からもお話を頂いた際、高齢の利用者から「大満足です!」との声が寄せられ、温かい雰囲気に包まれる一幕もありました。また、最近では地元小学校のマラソン大会で、応援を希望する利用者の方々を車に乗せて会場に行って盛り上がったことなど、地域に密着したエピソードも語られました。そんな様子から既にこの地域になくてはならない活動になっていることを垣間見たように思います。
総会の最後に、集まった皆さんが外に出て車を囲み集合写真を撮りました。「うかわカーシェア会」の今年のテーマを話し合った時「がんばっぞ、うかわ!」にしよう、となりました。その言葉を掛け声に気合たっぷりの一枚が撮れました。最後まで笑顔と笑い声のあふれる設立総会でした。
今、石巻では仮設住宅ではじまったコミュニティ・カーシェアリングが仮設住宅が閉鎖された後も11の地域で実践されています。能登町でもずっと続いていく取組となるよう、私達も引き続き応援してまいります。石巻や他の地域のカーシェア会の皆さんと交流していただくことも今から本当に楽しみです。そして、他にも関心を持つ地域や自治体が能登半島にあれば、できる限りの応援をしてまいります。
*コミュニティ・カーシェアリングについて詳しくはこちらをご覧ください。
【関連情報へのリンク】
鵜川地区でテスト運行開始時の様子:ブログへリンク
能登町役場の皆さんが石巻まで視察に来られた時の様子:ブログへリンク
地元の北國新聞の記事:北國新聞の記事リンク
能登町コミュニティ・カーシェアリング補助金:能登町HPへリンク
マッハコーヒー:インスタグラムへリンク、facebookへリンク
Ayako’s kitchen:インスタグラムへリンク