9月27日、豊田市主催で「住民主体の共助交通シンポジウム~コミュニティ・カーシェアリングの事例から考える~」が開催されました。このイベントには、豊田市内の自治区や地域活動関係者を中心に、近隣の自治体や交通支援に興味を持つ方々等84名の方々が参加されました。
冒頭で太田市長から「コミュニティ・カーシェアリングは令和時代のお互い様の地域社会のようだ。地域にお互い様の輪が広がっていくことを期待している」と力強いお言葉を頂き、会場全体の士気もぐっと上がりました。
シンポジウムは2部構成となっていました。第1部では、まず当協会の吉澤が登壇させていただき、コミュニティ・カーシェアリングについて仕組みの解説やこれまで取り組んできた様々な地域の事例を交えながら紹介を行いました。事例紹介の後の質疑応答では時間ギリギリまで質問が寄せられ、関心を持ってくださっていることをひしひしと感じました。
その後、4月に豊田市で設立された「水源さくらカーシェア会」の渡邊代表が活動の様子や実際に取り組んできた経験をお話されました。
渡邊さんは
「テスト運行を開始して、最初は利用者が2名だけでした。でも、続けていくうちに口コミで広がり、今では38名にまで広がりました。利用者の方々がすごく喜んでくれて、それがやりがいをもって取り組んでいる。この活動が他の地域に広がるように協力していきたい」
と、誇らしげに語っていて、その話を聞きながら活動の立ち上げを応援させていただいた者として本当に嬉しく思いました。
第2部では、ワークショップが行われ、第1部で得た情報をもとに、自分の地域の分析や可能性について参加者同士で意見交換がなされました。これがかなり白熱しました。終了時間が過ぎても一向に終わってもらえず(笑)、熱気にあふれた場になりました。
ワークショップの最後に、話し合ったことを発表されたのですが
「10年後を見据えて、取り組んでいきたい」
「地域の様々な関係者の協力を得て検討を始めたいと思う」
「まずは、調査が必要」
といった前向きな意見が発表されていました。
調査について話題になると、水源地区の小林区長から「うちの地域で使用したアンケート用紙使っていただいていいですよ」とその場で話が出て、地域同士の助け合いが生まれる様子に、とても温かい空気が会場を包みました。
そして、すごくよかったのは、イベントの後です。なんとこの数日の間にいくつかの地域では具体的にコミュニティ・カーシェアリング導入に向けて、アンケート調査を開始する等動きが早速始まったのでした。シンポジウムが実際の行動に結びつくきっかけとなったことが本当に嬉しいです。
当日の様子は地元CATV(ひまわりテレビ)のニュース動画で詳しく紹介されており、会場の熱気や実際の声等シンポジウムの様子を垣間みていただけますのでぜひご覧ください。
中日新聞の記事にもまとめられていますので、こちらもぜひご参照ください
豊田市では昨年の5月に協定を締結してから、一つの実例を作り、自治体がその活動を広く市民に紹介し、取り組みの輪を確実に広げています。非常に効果的に推進され成果が生まれていて、すばらしいですね。
私たち日本カーシェアリング協会も引き続き、豊田市内でのコミュニティ・カーシェアリングの普及促進に協力してきたいと思います。
■コミュニティ・カーシェアリングについて詳しくはこちらをご参照ください。
■講演(研修)の依頼に関して詳しくはこちらをご参照ください。