災害発生時、多くの車が被災し、被災地では深刻な車不足が発生します。この問題を解決するため、協会では「災害時返却カーリース」をはじめ、「災害対応材人材バンク」や車両運搬ボランティア「架け橋ドライバー」などの仕組みの普及に取り組んでいます。
前年度に引き続き、佐賀県の協働創出事業として、12月5日に県内市町へ災害時の車支援の備えについて提案をさせて頂く機会をいただきました。
本事業の対象となる佐賀県内17市町(※3市は対象外、欠席)の方が出席され、能登半島地震での事例にも触れつつ、車の被災の備えという観点から以下4点をお伝えしました。(※)これら3市につきましても、後日、個別に同様のお話しさせていただく機会をご用意していただくことになっております。
・災害時の自治体の公用車不足を自治体同士の連携で解消するための災害時返却カーリース自治体プランの導入
・災害対応人材BANKの登録呼びかけ
今年の災害対応を通じて私たちが学んだことは、直接被災された方はもちろんのこと、被災された方を支援する側である自治体も同様に車不足で困っているということでした。
通常業務に加え、被災の調査業務、避難所運営など災害特有の業務の対応のために公用車が足りなくなるのです。自治体の動きが遅くなれば、その分被災された方への行政サービスを届けることの遅れにもつながります。
そういった状況を改善するために、災害時返却カーリースの自治体プランを県内自治体の皆様に導入いただきたいとご案内しました。このプランは従来の災害時返却カーリースの返却対象を自治体の車の被災のみに限定したものです。
その分返却可能性が減るため、自治体が導入するうえで「返却後に公務に支障が出てしまうのでは」という懸念を減らすことができるようになりました。県内の災害でのみ返却する仕組みがあることをお伝えし、佐賀県内で公用車不足で困らない仕組みを作るご提案をさせていただきました。
その他にも、愛知県で県内の市町村を対象に、災害時の車両貸出拠点として使用可能な候補地の調査が行われたことを事例紹介させていただきました(詳細はこちら)。その結果、54自治体中53自治体から回答があり、80箇所以上の施設が候補地としてリスト化されたことをお伝えし、佐賀県内でも同様のことを実現できたらということをお伝えしました。
会の後半、昨年度の提案をきっかけに、災害時返却カーリースを公用車として導入した嬉野市から導入の経緯や思いなどを共有していただき、他の市町村の方も身近な導入事例に熱心に耳を傾けられていました。
嬉野市の導入についてのブログはこちら。
昨年よりも、導入を具体的にイメージした質問が多く寄せられました。自治体も車の被災に備える必要性を感じ取っていただけたように思います。
実は、11月には秋田県の総合防災課が主催する市町村担当者会合にも参加させていただき、これらの仕組みをご紹介する機会をいただきました。
災害時の車の被災の問題を解決していくにあたり、自治体との協働は欠かせません。だからこそ、自治体が抱える災害時の車不足の問題も一緒に解決できたらと思っています。
これから、他の地域でもこのような災害時の車の備えについての啓発活動を進めていけたらと考えています。
2年続けてこのような機会をつくっていただいた佐賀県庁の職員の皆様、誠にありがとうございました。
関連リンク
災害時返却カーリースについて
災害人返却カーリース自治体プランについて
災害対応材バンクについて
車両運搬ボランティア「架け橋ドライバー」について
嬉野市での導入事例
福島県での導入事例
愛知県での事例
この取り組みに関するお問い合わせ
日本カーシェアリング協会
公式サイト:https://www.japan-csa.org
お問い合わせ・連絡先:carlease@japan-csa.org