活動レポート
REPORT

防災士の皆様へ ~クルマの被災で困らない社会をともに~

2024.01.10

このエントリーは、日本防災士機構( https://bousaisi.jp/ )のメルマガをお読みの方向けに当協会の災害支援について書かれたものですが、災害支援にご関心のある皆様にもぜひお読みいただけたらと思います。
 
 

日本カーシェアリング協会は、東日本大震災をきっかけに活動を始めた「寄付車」を活用して支え合いの仕組みをつくる非営利組織です。

本部は宮城県石巻市で、震災直後から活動を続けてまいりました。近年は大規模な自然災害が各地で発生し、私どもの災害支援の活動範囲も全国各地へ広がって来ております。

先日、防災士機構の方とお話しさせていただき、メルマガの読者の方には防災に興味をお持ちの方もたくさんいらっしゃると伺いました。

この度は、すでに防災士として活動されている方、並びに防災に関心の高いの皆様に、当協会の活動のうち、災害支援や防災に関わる部分についてのご紹介と、ご協力をお願いしたいことについてお話しさせていただきたいと思います。

これだけの車社会であるのにも関わらず、防災においては「車が無い」ということが、なかなか想像もできていないのが実情です。私たちは防災士のみなさまとも連携させていただくことで、災害時に車に困らない社会の実現に向けて、力強く取り組んでまいりたいと考えております。
 
 

【1】2023年の災害支援活動

豪雨災害などの被災地では、車が一度にたくさん失われることで、生活や支援活動に大きな支障が出ます。日本カーシェアリング協会(以下、当協会)は、寄付で集めた車を、被災者や支援団体へ一定期間、無償で貸し出しています。


今年は全国10か所に臨時拠点を設置し、延べ635件の貸し出しを行いました(11月30日現在)。

これは協会にとってもかつてない規模の支援活動でしたが、課題も多く見えてきました。
 
 

【2】解決しなければいけない課題

協会では、大規模自然災害が発生し、車の被災数も大きいと思われる場合、現地調査を含む情報収集を行って、拠点設置の可能性を探ります。

拠点を設置する場合、小規模でもオフィス環境と、近接地に数十台規模の駐車スペースが確保できることが要件になります。

同時に、働いていただける方と、車の寄付の募集も開始します。これについては、以下のような課題があります。
 

災害時に必要な台数を被災地に集めるまでに時間がかかる。
 (車をタイムリーに用意できない)

全国から寄付される車の運搬に協力して頂ける方が必要。
 (車が拠点に届かない)

各地の災害拠点で対応いただける地元の方と出会うまで時間がかかる。
 (貸出が開始できない)
 
 

【3】課題解決のための取り組み
 

3-1.災害時返却カーリース(車をすぐに集める) 

災害時返却カーリース
https://www.japan-csa.org/action/lease.php#saigai 

普段は安く車を使えて、災害時は被災地を助けるカーリース。

災害発生時は、協会からの要請に基づき、速やかに協会へ車を返却(被災地域の利用者には返却を要請しない場合があります)。その車を、被災された方や支援活動を行う団体へ無償でお貸しします。

災害時返却カーリースの特徴
 災害時には支援車に。あらかじめ近隣にたくさん配置されることで、車がすぐに集まる体制の構築ができます。
 

3-2.架け橋ドライバー(車の運搬ボランティア)

 架け橋ドライバー(寄付車の運搬ボランティア)募集!
 https://www.japan-csa.org/blog/archives/2038

 これは、協会が災害支援などの活動で活用する車を運搬する場合、ほとんどをボランティアの方々に自走で運搬していただきます。Facebookグループに参加すると運搬依頼情報が流れてくるので、自分の都合のいいときだけコメントをいただき、個別調整をする形で行っております。( https://www.facebook.com/groups/2947656742186806 ) 

費用に関しては、往路の輸送費(ガソリン代、高速代)は協会負担です。※災害時は高速道路の無料通行証をご利用いただくこともあります。復路は自己負担です。これについては、車でお出かけするのが好きな方が、車を運ぶお手伝いもできて、普段行かないようなところにも行けるから、といった理由でご協力いただくこともあり、大変助かっております。

運搬中の交通事故については、協会で加入している自動車保険にて対応いたします。
 

3-3.災害対応人材BANK
 
「災害の時に協力できる」を事前に登録『災害対応人材BANK』登録者募集!
https://www.japan-csa.org/blog/archives/3620

被災地の拠点で数か月有償で支援活動に従事いただける方の事前登録制度。近隣で災害が発生した時に協会から従事の依頼を行い、対応をお願いいたします。


1.災害時返却カーリースの利用者
2.架け橋ドライバー(寄付車の運搬ボランティア)   
3.災害対応人材BANK登録者

 

これらのみなさまが全国にいることで、被災地域の早期の生活再建につながります! 
 
 

【4】まとめ

災害時に車を被災された方への車両無償貸し出し支援につきましては、現状では自助、共助、公助のいずれも決め手に欠ける部分であり、災害への備えとして、いまできるだけ多くの自治体や民間企業、団体と支援協定の締結を進めているところです。

自治体や企業・団体など組織としてのつながりも重要ですが、防災士の皆様のネットワークとその行動力も、とても大きな力になると感じております。

ぜひご一緒に、当協会の持つ災害支援の仕組みを有効に活用して、災害に対する備えをより強固なものにしていけたらと思います。これからも、ご理解とご協力いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 

◎自治体の方には、こちらのページも紹介させていただきます。

利用者の声(福島県庁訪問インタビュー【災害時返却カーリース】)
https://www.japan-csa.org/blog/archives/4726

佐賀県・県内市町村へ向けて災害時返却カーリースのご提案を行いました
https://www.japan-csa.org/blog/archives/4997 
 
 

【5】最後に

代表の吉澤が最近ある媒体に寄稿したものです。ぜひご一読いただけたらと思います。

車の被災で困らない社会の実現に向けて
 寄稿《車の被災に備えて もはや「常識」と考えよう》
https://www.japan-csa.org/blog/archives/4853



―お問い合わせ先―
ホームページから:https://www.japan-csa.org/blog/contact
メール:info@japan-csa.org
電話:0225-22-1453 (石巻本部、平日9:00-18:00) 


関連リンク
災害時返却カーリース:https://www.japan-csa.org/action/lease.php#saigai
架け橋ドライバー募集:https://www.japan-csa.org/blog/archives/2038
災害対応人材BANK:https://www.japan-csa.org/blog/archives/3620