仮設住宅に住んでいる時からボランティアドライバーとして活躍してくれていた新西前沼カーシェア会の青山さんが引退することになりました。
震災前、青山さんは地域の活動に参加したことがなかったと言います。ただ、2011年に青山さんが住んでいた仮設大森団地にカーシェアの車を届けた時、当時車を一緒に使い始めた方々同士で外出支援を始めようと、勢いで活動が始まったことがボランティアドライバーとしての活動を始めるきっかけでした。
結果、一番熱心に活動をされていたのが青山さんとなり、仮設大森団地は非常に不便な地域に建設されたマンモス団地だったため、青山さんの活動に多くの方が助けられました。
(仮設で活躍していたころの様子)
復興住宅に移ってからも、新西前沼カーシェア会の代表としてみんなを引っ張ってくれて、今では約70人の会員が参加する大きな活動になっています。
(お出かけしている様子)
しかし今年に入ってから、目の不調を感じていた青山さんは手術を行うことになりました。ただ、年金生活の青山さんにとって、体調のことだけでなく、手術代がかかることによる経済的な負担についても不安に感じていらっしゃいました。
そんな中、日頃お世話になっている会員の方から青山さんの力になりたいと申し出があり、見舞金を持ち寄りお渡しされていらっしゃいました。その時は青山さんは「あぁ~、助かるなぁ」と、とっても喜んでいらっしゃいました。
退院してからも目が本調子ではなかったこともあり、青山さんは引退を決意し、メインのボランティアドライバーとしての役割を会員になったばかりの万代さんが引き受けてくださることになりました。
(左が青山さんで右が万代さん)
慣れない万代さんを、しばらくは青山さんが助手席に乗りながら引き継ぎが行われました。
(この時の様子は、先日復興庁から発行された漫画に「ベストコンビ」として紹介いただいています。ぜひご覧ください。)
万代さんに役割を託し、安心してボランティアドライバーを引退した青山さんには、次のステージが待っていました。カーシェア会の男性会員らと共に「将棋倶楽部」を結成することになったのです。実は、青山さんは毎週日曜日のNHKの将棋の番組を欠かさない、大の将棋ファンだったのです。
(ドライバーとしての引退を記念して、将棋倶楽部で使用するための将棋セットを1セットプレゼントしました)
(将棋倶楽部の様子)
新西前沼カーシェア会の代表は引き続き担っていただきつつ、お出かけ等にも参加してもらって、将棋倶楽部で新西前沼カーシェア会の男性会員の輪も広げていただければと思います。
『コミュニティ・カーシェアリング』の活動は、たくさんのボランティアドライバーの方々にご協力いただいています。みなさんには無理なく活動に参加いただき、引退されてからも仲間に囲まれた幸せな生活を過ごしていただくことを目指してまいります。
また、ボランティアドライバーの世代交代は、私達だけでなく地域の外出支援を伴う様々な活動において大きな課題であります。私たちは、コミュニティの輪を広げ関わる人を増やしていくことで少しでもボランティアドライバーの世代交代が行われやすくなる環境を作っていきたいと思っています。
青山さん、8年間のボランティアドライバーとしての活躍、ほんとうにお疲れさまでした。
これからも新西前沼カーシェア会をよろしくお願いします。
<参考>
『コミュニティ・カーシェアリング』実践ガイドブックvol.2に掲載されている青山さんインタビュー
※青山さんがこの活動に熱心に取り組んでいただく理由を垣間見ていただけると思います。
「あしたのコミュニティ・ラボ」でも青山さんの活動が紹介されています。
※このブログの一番上の写真は、青山さんらしさがとても表現されているので、あしたのコミュニティラボ 藤牧徹也さんが撮影された写真を使用させていただきました。
●コミュニティ・カーシェアリングについて関心をお持ちの方はコチラをご参照ください※実践ガイドブックの無償送付も行っております。
https://japan-csa.org/action/carshare.php
●この活動へのご支援もよろしくお願いします。