活動レポート
REPORT

『仮設扱い』の人達

2011.11.29

先週末、2人の方から利用を希望する連絡をいただきました。
そのお二方には共通点がありました。
アパート及び一軒家を『仮設扱い』として住んでいらっしゃるという方々でした。
<南川さんの場合>
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「今日、自転車に乗っていたら足が痛くなってしまって。そしたら、そちらのカーシェアリングの事をご近所さんに教えてもらったのですが、詳しく教えてもらえないでしょうか?」
そんな電話をいただき、新千刈地域にご説明に伺いました。
南川さんは、85歳のおじいさんでした。
びっこを引きながらアパートで出迎えてくだいました。
「震災で車が流されて、もうこの年だし運転は辞めようと思っていたのですが、今日、自転車こいでも風で一向に前に進まなくて、しまいに足が痛くなってしまい、やっぱり車を使いたいって思ったんです」
隣の美容室の奥さん(阿部さん)も利用したいとおっしゃっているという事で、訪ねていき、一緒にご説明させていただきました。
近所の奥さん方も何人か共同利用しそうな方がいらっしゃるとの事で、早速テスト運行を進める事になりました。
南川さんの住んでいらっしゃるアパートは、ほとんどが仮設扱いで住んでいらっしゃる方々でした。
南川さんと阿部さんの話によるとこの新千刈地区はほとんど支援が入らないとのことでした。
「仮設住宅は色々と支援のてが伸びている。
大街道や渡波等は自宅避難の方々への支援の手が伸びている。
しかし、渡波と比べて少し上の方にあるこの地域では、『大丈夫』だと思われて、支援の手は伸びないのです。」
南川さんは、そのお年では考えられないくらいの肌つやとバイタリティに溢れ、ハーモニカや水墨画を嗜み、地域の国勢調査や自主的な清掃活動等積極的にされていらっしゃる方でした。
「私は本来、あちこち動き回って家にはほとんどいない人間なんです。車があればまたあちこち動けるので楽しみです。」
南川さんがハーモニカを吹いてくれました。
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ハーモニカの後の笑顔もいいですヨ!
南川さんに車以外に必要なものを…と聞いてみると『パソコン』と『ストーブ』でした。
活動していくのにチラシや名刺をご自身で作られており、そのためのモノでした。
ストーブは全て流され、もちろん支給されはしません。
確かに、南川さんの家はストーブがなく、とても冷えていました。
なんとか南川さんに震災前のようにフル活動して頂くために、この2つを集めたいと思います。
もし提供できるものをお持ちの方いらっしゃったらご連絡ください。
<千田さんの場合>
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南川さんの話が終わった後、もう一軒連絡があり、すぐ近くのツルハドラッグで待ち合わせしました。
流留にお住まいの千田さんという方でした。
仕事が始まるまでの20分程立ち話をしただけだったので詳細はうかがえなかったのですが、
千田さんは、家族5人で1軒屋を借りて仮設扱いで生活されていらっしゃるようです。
なんとか車は1台手に入れたのですが、ご主人が通勤で使用し、奥さんが使いたいときに車がつかえないとの事で、近所の奥様方と一緒に使用したいとの事でした。
カーシェアリングの話、とても喜んでくださり、こちらでも車の手配が着き次第、テスト運行を始める事になりました。
先日『仮設扱い』として生活される方が実に6~7000世帯いらっしゃるという話を聞きました。
この数字が正しければ仮設住宅にお住いの方々の数に匹敵する数です。
要は実に多くのそうした方々がいらっしゃるという事です。
仮設住宅や自宅避難される方々は、場所が明確で分かりやすいです。
ただ、石巻市内には、なかなか接する事ができないこうした方々がたくさんいらっしゃることをこの日は実感いたしました。
このテーマに対して、取り組み始めようと思います。

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