━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本カーシェアリング協会 メールニュースvol.71 2021.3.11 ◆ 10年 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <主なTopic> ・10年 ・10年のあゆみ ・伝えていく ─────────────────── ◆10年 ─────────────────── 震災から10年。 なんとか続けてこれた。 間の抜けたように聞こえるかもしれませんが それが正直な感想です。 私自身、この活動に全力を注いできました。 それにスタッフたちも本当に頑張ってくれ ました。 一生懸命取り組んではきたのですが、 10年を振り返ると、うまくいかないことも 多く、反省と踏ん張りの日々でした。 今もそれは続いているのですが(笑)。 でも、支えてくださった方々の励ましと 共に活動する仲間の頑張っている姿と 支援させていただいた方々の笑顔のお陰で 粘り強く前を向いて進んでこれました。 ほんとうに感謝です。 活動を始めた当初、企業回りながら車 集めをしていても1台も車を手に入れる ことができず、現場から遠く離れた場所で 自分は何をやっているのだろうと思う日々 が続きました。 そんな時、この取組を提案してくれた師に やり方を変えようと思うと相談した時、 次のように言われました。 「お前は人生の中で何か一つでも やり遂げたことがあるのか?」 私は何も言い返すことができずその言葉で 会話は終わりました。しかしその後企業 まわりを続けた結果、1台の車の提供を 京都の企業から受け、その車を石巻の仮設 住宅に届けることからこの活動を本格的に 始めることができたのでした。 今でもその言葉を思い出し、自分に確認 しています。そして、まだまだだなぁと 改めて思うのでした。 私はやり遂げるということは、バトンを 渡すことだと思っています。 それはこの活動を通して、スタッフ一人一人 の成長を支えることであり、関わる人や 団体によい影響を受け取ってもらうであり、 次の世代にこの活動やこの活動で実現する 社会をつないでいくことです。 ちゃんとバトンを渡せるまでやり遂げる ことができるように、これからも取り 組みを続けてまいります。 ─────────────────── ◆10年のあゆみ ─────────────────── 復興庁で先月発行された「地域づくり ハンズオン支援事業ガイドブック 2020-2021」に10ページにわたる特集を 掲載いただきました。 私たちの10年の歩みをとてもわかりやすく 整理していただきましたので、許可を いただき表紙をつけてこちらで別刷り させていただきました。 特にずっと支えていただいた皆様に 過去を思い返しながら読んでいただけ ればなと思います。 ↓こちらから内容を確認できます。 http://japan-csa.org/pdf/jcsa_10years.pdf ※印刷した冊子をご希望の方はご連絡 いただければ郵送させていただきます。 ─────────────────── ◆伝えていく ─────────────────── 昨日の朝、一人の友人の訃報の知らせが届 きました。 1週間ほど前に行ったカーシェア会の交流会で 会って話をしたばかりでした。 彼はカーシェア会のボランティアドライバー として活動しつつ、それ以上に震災を伝承 するための語り部として精力的に活動して いました。 私たちが昨年から始めた語り部ナビは彼の 言葉を元に作ったものです。 交流会の会場で、語り部ナビの利用者の 感想を伝えたら 「それはよかった」 と笑顔で喜んでくれました。 匿名で、ということが彼との約束なので 名前は伏せておきます。このことをここに 書くこと自体、悩みましたが、 彼の貢献を知ってほしかったのと 彼の言葉を伝え続けていくことをこの日 に宣言するために書きました。 人生の大先輩を友人と呼ばせてもらい ごめんなさい。でもあなたとの関係は私に とって友という言葉が一番ぴったりかなと 思い(ですよね?)そう呼ばせていただき ました。本当にありがとう。
【メールニュースvol.72】 ◆ 10年 ◆
2021.03.11