10月19日、朝7時40分頃、石巻市内にサイレンが鳴り響きました。
この日、石巻市は年一回の総合防災訓練の日でした。
石巻市内の5つの仮設団地で停電時にスムーズにEVから電気を取り出せるように
訓練やデモンストレーションが行われました。
<大橋団地>
大橋団地は開北小学校の2Fに避難し点呼をとり、その後仮設敷地内の駐車場でEVから取り出した電気で沸かしたコーヒーを飲みながら、給電方法のレクチャーが、大橋団地のカーシェアリング担当の相澤さんによって行われました。
大橋団地では約100名の方が参加されました。
皆さんにコーヒーをふるまいながら、給電の手順を説明していきました。
質問等色々飛び交い、朝からとても活気ある避難訓練だったと思います。
<大森第4団地>
大森第4団地では約10名の方が朝から集まり、
EVから取り出した電気でお湯を沸かし、
そのお湯を使って非常時用のアルファ米でご飯を作り、
持ち寄ったおかずで皆で朝ごはんを食べました。
<開成第10・13団地>
被災地で最大規模の仮設団地である開成団地では、この日500匹のサンマと芋煮を開成・南境地域の仮設住宅の方々に振る舞う会を行い、その中でEVの電気を使って作ったコーヒーをふるまうデモンストレーションを行いました。
次々とサンマが焼かれ、沢山の方々が集いました。
開成団地のおばさん達が
「電気自動車から電気を取り出して、コーヒーを沸かしたから、いつもより美味しいはずよ。うふふ」
とか説明を加えながら、コーヒーを振る舞いました。
みなさん、とても新鮮だったようで
「へぇ~」とか「すげぇ~」とか言いながら美味しくコーヒーを飲んでいました。
遠藤会長、大役お疲れ様でした。
<渡波第二団地>
渡波第二団地は、EVでお湯を沸かして、みんなでそうめんを食べました。
高橋会長とサポートで来てた隣の万石浦の増田会長
お湯が沸くのをみんなで待って、美味しくいただきました。
<万石浦団地>
万石浦団地では、EVから取り出した電気で芋煮炊き出しを行いました。
大きな鍋で割と時間をかけて作ったのですが、電気のメモリがほとんど減らず余裕を持って炊き出しができてみなさん、びっくりしていました。
昨年、大橋団地1カ所だけの実施が、今年は三菱自動車工業さまと宮城三菱自動車販売様のご協力でMiEV power BOXを各団地用に寄贈いただいたこともあり、様々な形で5箇所実施されました。
普段EVを設置している団地でも、具体的に給電を行うと、みなさん興味を持って見られている方が思った以上に多かったです。各団地でEVから給電ができるという事を改めて、住民の方々に知らせる機会になったと思います。まずは、そこからだと思います。
石巻は震災以降も台風や集中豪雨等、様々な災害の被害を受けています。
ちょうど1週間ほど前の大型台風19号が日本に接近する直前の13日、開成団地の遠藤会長は、万が一の停電の際EVから電気をとれるように練習を行っていました。
延長コードでひっぱってTVの電源をEVからとりました。
EVから電気を取り出す行為が、少しずつ石巻の仮設住宅の中で浸透してきたように思います。
住民主体で、EVから電気を取り出す訓練を行う事は、全国的に珍しいように思います。
しかも、5箇所も実施する地域は更に希ではないでしょうか。
石巻から新しい防災のスタイル、生まれたら嬉しいな。
【NHK:石巻で大規模避難訓練】
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20141019/4908261.html
総合防災訓練 ~EVから電気をとる石巻スタイル~
2014.10.23