7月14日(土)、石巻市防災センターにて第2回『コミュニティ・カーシェアリング』シンポジウムin石巻が開催されました!
現在報告ページと報告書の作成を進めているので、正式な報告はそちらで行いますが、
この記事では当日の雰囲気を感じていただければと思います。
シンポジウム会場はほぼ満員。実行委員会、石巻市長、復興庁からの挨拶でスタートしました。
午前中は「世界各地の『コミュニティ・カーシェアリング』」というテーマで
ベルギーから来日したAutodelen.netのJeffrey、TaxistopのAngelo、日本カーシェアリング協会の吉澤が講演を行いました。
それに加えて、来日はかないませんでしたがドイツのEbersberg im Landkreis EbersbergのWilmaが作成したビデオを上映しまいた。
Jeffreyからはベルギーで行われているご近所同士で車をシェアする複数の事例や、その他福祉車両や自治体車両のシェアなど革新的なカーシェアリングの事例の紹介がありました。
AngeloからはTaxistopが行っているシェアリングモビリティの事業や、それによっておこるインパクト、その他行政と連携した地域の移動送迎サービス事例などを紹介していただきました。カーシェアリングのメリットをわかりやすく伝えてくれ、大変参考になりました。
タケことカーシェアの吉澤からは石巻で7年間続けてきた『コミュニティ・カーシェアリング』の取組について説明。
日本カーシェアリング協会が今向き合っていることについても言及していました。
そして今回の新たな取組は希望者限定のランチ交流会!
普段お話する機会のない登壇者や参加者同士で話す時間を設けようということで企画しました。
石巻焼きそば他食べ物をつつきながら、それぞれ熱い話が繰り広げられており、とても良い時間になったのではないかと思います。
ランチの時間帯は石巻のカーシェアではおなじみ、電気自動車を使った給電デモを実施しました。
コーヒー好きのJeffreyも「エレクトリックコーヒーは美味しいね!」と喜んでいました。
さてランチ交流も終わり午後の部がスタート。
午後は柴山先生と鳩山先生の講演から始まりました。
柴山先生からはカーシェアリングの類型の説明、そして『コミュニティ・カーシェアリング』はどういった位置づけにいるべきなのか
ということをヨーロッパの事例などを踏まえながらわかりやすく解説していただきました。
そして柴山先生の大学時代の先輩にあたる鳩山先生からは国内の地域公共交通の実例や、地域公共交通会議の仕組みなどを紹介いただきながら、現在日本が抱える共助型モビリティの課題について論じていただきました。
休憩をはさみ、最後のプログラムは石巻にいる登壇者全員が参加したパネルディスカッション。
ご参加いただいた方からの質問をもとに、鈴木先生のモデレーションに進めていきました。
車を持っている人もカーシェアリングのターゲットになるか?
カーシェアリングの健康に関するポジティブなインパクトはあるか?
モーダルシフトの理由は?など軽いものから専門的なものまで多様な議論が交わされました。
会場にいらっしゃった亀山市長にも石巻のこれからの交通についての質問が飛び、
市長の考えを会場の皆さまにお伝えいただきました。
シンポジウムの最後には、ドイツのWilmaもインターネット上でシンポジウムに加わり、『コミュニティ・カーシェアリング』の価値の発信と相互の協力を約束した基本合意書への調印式を行いました。
基本合意書には以下のことが書かれています。
”私たちは『コミュニティ・カーシェアリング』を通じて、より多くの人が社会と繋がる、持続可能な世界の創造を目指します。世界的に数少ない『コミュニティ・カーシェアリング』の運営者として、そのコンセプトを発信するとともに、互いに信頼し、友好関係を深めながら協力していきます。”
そして、友好のしるしとして今回参加したAutodelen.net,Taxistop,Carsharing im Landkreis Ebersberg, 日本カーシェアリング協会のロゴが入ったオリジナルポロシャツを贈呈。
裏側には”Auto teilen macht freunde”というドイツ語が書かれています。
これは”カーシェアリングは友達を作ります”という意味で前回のシンポジウムで参加してくれたChristianが贈ってくれた言葉です。
『コミュニティ・カーシェアリング』のコンセプトを体現する言葉でもあり、バックにプリントさせていただきました。
Wilma、Jeffrey、Angelo、吉澤から挨拶を行い、盛会のうちにシンポジウムを閉会することができました。
実は14日のプログラムだけで終わらなかったのが今回のシンポジウムです。
13日は交通に携わる人に限定した吉野町カーシェア会の視察と事業報告・ワークショップが行われました。
『コミュニティ・カーシェアリング』の実際のユーザーと話をすることで、雰囲気を伝えることができなのではないかと思います。
また、ワークショップでは参加者が4グループに分かれて、頭と手を動かしながら共同作業を実施。
単なるディスカッションで終始しなかったため、お互いの距離が少し縮まったように感じています。
15日は不動町のカーシェア会の現場視察。
13日とは違い、交通関連者に限らず色々なバックグラウンドを持った方がカーシェア会の実際の様子を見に参加してくれました。
カーシェア会のメンバーそれぞれが役割をもって運営している不動町カーシェア会について沢山の質問が寄せられました。
また、交流会終了後のランチ交流会では不動町の皆さんが海外ゲストのためにお茶をたててくれるというサプライズ。
箸置きも会員さんが手作りしてくれたりと、ベルギーから来た5人は不動町のおもてなしに大変感動している様子でした。
最後はお互いに感謝を伝えあい、プレゼントの交換を行いました。
以上が簡単なシンポジウムの報告となります。ここからは関わっていただいた皆様へ、簡単ではございますが、感謝の気持ちをお伝えさせてください。
この3日間は、日本カーシェアリング協会をはじめとしたシンポジウム実行委員会だけでは、決して成功させることはできませんでした。
復興庁、ご協賛や広報などでご協力いただいた企業、ご登壇いただいた講師の皆様、ご参加いただいた皆様、普段から『コミュニティ・カーシェアリング』の活動に参加してくれている石巻の皆様、また日頃より応援していただいている皆様のおかげだと考えています。
この3日間で得た経験やつながりをより大きなものに発展させ、未来につなげていくために、私たちはここ石巻から動き続けていきます。
これからも変わらぬご支援とご協力をいただければ幸いです。
そして最後に、遠くヨーロッパから今回のシンポジウムにむけて協力をしてくれたJeffrey,Angelo,Wilmaへ。
こちらのたどたどしい英語でのコミュニケーションにもかかわらず、本当に協力的に関わってくれてありがとう。
地球の反対側に同じ志を持って活動をしている仲間がいるということが、どれだけ心強いことかと実感しています。
ポロシャツの裏面に書いてある通り、カーシェアリングを通じて知り合った友人として、これからも互いに尊重し、協力していければと思います。本当にありがとうございました。