vol.10 シンポジウム開催に協力いただいた皆さんへ
10日目の今日は、「コミュニティ・カーシェアリングシンポジウム」の開催にご協力いただいた皆さんへのありがとうです。ドメスティックな団体と思われがちな私たちですが、実は海外のカーシェアリングの団体とも関係を築いてきました。その集大成がこれまで2回開催してきたコミュニティ・カーシェアリング・シンポジウムです。そこに関わるエピソードをご紹介していきます。
シンポジウム開催にご協力いただいた皆様にありがとうございます。
地域住民でルールを決め、運用していく「コミュニティ・カーシェアリング」。
石巻が発祥かと思いきや、カーシェアリング発祥の地、ヨーロッパでも実施されていることを教えていただいた方がいらっしゃいました。
それが、柴山多佳児先生(ウィーン工科大学交通研究所)でした。なんと柴山先生は石巻出身。不思議な縁を感じました。
当時のブログ https://www.japan-csa.org/blog/archives/571
その後、柴山先生にアテンドいただき、オーストリアでコミュニティ・カーシェアリングを実施しているCARSUO CARSHARING e-Gen 、スイスのモビリティ社へノウハウを学びに行きました。視察内容は以下のブログにまとまっています。ここでのクリスチャンとの出会いがシンポジウムの開催につながりました。
視察ブログ①https://www.japan-csa.org/blog/archives/576
視察ブログ②https://www.japan-csa.org/blog/archives/577
視察ブログ③https://www.japan-csa.org/blog/archives/578
視察ブログ④https://www.japan-csa.org/blog/archives/579
視察ブログ⑤https://www.japan-csa.org/blog/archives/580
視察ブログ⑥https://www.japan-csa.org/blog/archives/583
そして、2016年10月8日、第一回のシンポジウムを開催しました。
視察に協力してくれたCARUSOのクリスチャン、ウィーン工科大学の柴山先生、政策研究大学院大学の家田先生、東北大学の鈴木先生、NTTデータ東北の樫部社長(当時)、協会の吉澤が登壇。コミュニティ運営方式のカーシェアリングの事例を紹介し、議論するという、なかなかない価値のあるシンポジウムとなりました。
第一回コミュニティ・カーシェアリング・シンポジウム開催報告
そして、クリスチャンは「ヨーロッパにはCARUSOと似たような仕組みでカーシェアリングを行っている団体がいくつかあるよ」ということを教えてくれました。これが2017年のヨーロッパ視察、2018年の第二回シンポジウムにつながっていきます。
2017年にはベルギー、チェコ、オランダ、ドイツで住民主体のカーシェアリングを実施している団体を訪ね、彼らの仕組みについて教えていただきました。
訪問したのは以下9つのカーシェアリング実施団体。ベルギーのAutodelen、Taxistop、Cambio、D ē gage、ECO MOBILITEIT GENT、Partago、チェコのAutonapůl、オランダのMywheels、ドイツのVaterstettener auto teiler e.V.
皆さん快く対応してくださり、また、震災から立ち上がるために生まれたカーシェアリング、という私たちのストーリーに驚いているようでした。
2017年の時点で、生活の質を向上させるために自治体が主導してカーシェアリングを進めたり、EVシフトが進んでいたりと、モビリティに関する現在地が日本と随分違うのだなぁと思った覚えがあります。
それ以外でもクリスチャン、柴山先生、奥間さんににアテンドしていただき、WOCOMOCO(World Collaborative Mobility Congress)に参加。主催者の方からサプライズで表彰していただいたりと何とも記憶に残るヨーロッパ視察となりました。
【ヨーロッパ視察 速報①~⑤】https://www.facebook.com/japancsa/posts/1504616236241379
https://www.facebook.com/japancsa/posts/1505944572775212
https://www.facebook.com/japancsa/posts/1506996459336690
https://www.facebook.com/japancsa/posts/1507058795997123
https://www.facebook.com/japancsa/posts/1507109509325385
視察の翌年、特に私たちの活動と似た特性を行っていたTaxistop、Autodelen、Vaterstettener auto teiler e.V. に協力し、石巻で第二回コミュニティ・カーシェアリング・シンポジウムを開催しました。
ここでご登壇いただいたのは第一回に同じくウィーン工科大学の柴山先生、長岡技術科学大学の鳩山先生、Taxistopのアンジェロ、Autodelenのジェフリー、Vaterstettener auto teiler e.V.のウィルマ(動画で参加)が共助のモビリティの仕組みについてご説明頂きました。
第二回コミュニティ・カーシェアリング・シンポジウム開催報告
シンポジウム中で印象に残っているのは、アンジェロが”Mobility is right. (自由に移動できることはすべての人にあるべき権利だ、という文脈でした)と言い切っていたこと。
公共交通やカーシェアリング、ライドシェアリングを駆使し、車椅子の方も、困窮されている方も、車を持ちたくない人も。全ての人が移動できるインクルーシブな交通の仕組みを目指している決意が見て取れました。
形態は違えど、私たちも被災された方、免許返納した方、困窮により車を持てない方の移動を寄付車を活用した仕組みで実現しようとしており、なんだか嬉しくなったのを覚えいます。
海外視察、シンポジウムを経て、私たちの視野は確実に広くなりました。発表いただいた方のみならず、シンポジウムの開催に向けて協賛をいただいた企業様もいらっしゃいました。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました!
シンポジウム開催に協力いただいた方からのメッセージ
家田先生、柴山先生、クリスチャン、温かく身の引き締まるメッセージありがとうございました! 第3回シンポジウムもいつか実現できたらな、と思います。
明日は震災直後からともに活動してきた石巻の非営利組織の方からのメッセージです。お楽しみに!