お礼の言葉と
ご支援いただいた皆様からのメッセージ

vol.16 平成30年7月豪雨でお世話になった皆さんへ

vol.16 平成30年7月豪雨でお世話になった皆さんへ

2018年に岡山県、広島県、愛媛県など広域を襲った平成30年7月豪雨。
行政との連携、複数拠点での支援実施など、今の協会の災害支援のターニングポイントになる災害支援でした。沢山の方に協力をいただきました。皆にありがとうを伝えます。

2018年7月4日、西日本を中心に記録的な豪雨が襲い掛かり、倉敷市真備町を流れる川の堤防が決壊し、町に濁流が流れ込んでいくニュースが流れていました。「これはただ事じゃない」と発災翌日から協会のFacebookで車の募集を開始、同時に石巻から車を運搬する算段をつけていきました。

協会スタッフが現地入りした時の真備町の様子
被災後の愛媛県西予市

災害が起きる前から予定していたイベントを終え、翌日から真備町に入り現場を確認。どこに車を置いたらよいか、どうしたら一番効率よく車を被災された方に届けられるか、そんなことを考えながら貸出の準備を進めました。
オートバックスセブン様からの運搬協力により初めて車の貸出を行ったのが、7月18日。発災から約2週間後となりました。

オートバックスさんの店舗で貸出をした様子


そして、ターニングポイントとなったのが翌7月19日。岡山県庁の当時産業労働部長だった横田さんから「連携がとれるなら協力したい。話を聞かせてほしい」とご連絡をいただきました。伊原木知事がオートバックスさんでの貸し出しの報道をご覧になり支援連携の可能性を見出され、その命を受けたのが横田さんだったのです。

必要な協力を説明している様子。

当時ボランティアセンターが設置されていた学校で夕方に待ち合わせしてベンチに腰掛けながら私たちの取り組みに必要な3つのことを相談しました。

①車の貸出拠点の確保、②さらなる車の確保、③被災された県民の方への広報

その後、横田さんは自動車業界団体への車の提供要請や場所の確保のための調査など迅速に対応をいただきました。

その横田さんから紹介を受けてお会いしたのが倉敷市の当時文化産業局長の原田さんでした。原田さんはまずは、場所をスピーディに調整してくださいました。

そのおかげで当時、罹災手続きや、物資の受渡場所、自衛隊のお風呂が設置されていた真備総合体育館の一室を貸出対応ブースとして、臨時駐車場を車の置き場としてお借りすることができました。

貸出対応ブースの様子

更に、避難所へのチラシの設置や、被災された方々に倉敷市から案内する支援情報に車の貸し出し支援の情報を随時にいれてくださったのです。結果、被災された方々が我々の支援の情報を得て、たくさんの方々がブースに訪れるようになりました。

岡山県での連携の仕組み

そして、この災害は本当にニーズが多く、貸出を開始してから「私も借りたい」という連絡がやまず、多いときは50名以上の方が車を待っている状況がありました。この状況を打破してくれたのが岡山県の自動車業界の皆様でした。岡山県からの要請を受けた日本自動車販売協会連合会岡山支部、岡山県軽自動車協会の加盟ディーラーの方々が、43台もの車を寄付してくださいました。この支援により一気にお待ちいただいている方に車を届けることができたのです。

寄付され、真備町で貸出準備中の車たち

また、愛媛県西予市に入った連携団体から、「ここでも車が足りていない」と要請を受け、西予市社協と協力することで貸出を実施していきました。これまで別の拠点で同時に貸出支援を行うことはなく、初めての経験でした。

西予に届いた車たち

車の寄付に関しては兵庫県福崎町のエーモン工業さんという心強い味方が力を貸してくださいました。ちょうど発災の2カ月くらい前に川岸社長の紹介を受け「できることは、やらせていただきます。」ということをおっしゃってくださったのですが、発災後すぐに本当に「できることありませんか」とお電話いただいたのでした。

そして、21台もの車を寄付いただけることになり、社員の皆様の協力の元、真備町と愛媛県西予市まで車を運んでくださったのです。また、エーモン工業さんをご紹介いただいたルート産業さんからもエンジンオイルのご支援をいただきました。

エーモン工業のみなさんと車を受け取った被災者のみなさん。
ルート産業の伊藤社長。



この災害で活用した車は98台、延べ629件の貸出を行いました。これは今までの件数から10倍以上の規模で支援を行うことができたのは、行政や企業の皆様との連携があったからでした。本当にありがとうございました。

車があると笑顔になる
こどもたちがお礼の絵をかいてくれました。

そして、対応に協力してくれた現地スタッフ、ボランティアの皆さんにもありがとうを伝えたいです。
「地元のピンチに協力できたら」と、現場の運営を支えてくれたスタッフの皆さん
ーまーさん、ゆかさん、ぐっさん、のりさん、わかさん、きっしー…皆に感謝!ありがとう!ー、
石巻から倉敷まで一晩で車を運搬してくれた架け橋ドライバーさん(運搬ボランティア)ー渡邉さん、霜崎さん、本田さん、ほっしゃん、小島さんご夫妻、他多数の皆さんー、
洗車や貸出の対応を手伝ってくれたボランティアさんーゆっこちゃん、ゆりさんー。

本当に沢山の方々に力を貸してしていただき、この災害対応を進めることができました。ありがとうございました。

スタッフ、ボランティアのみんな


そして、私たちの支援が終了した後、こんなうれしいこともありました。
倉敷市の原田さんをはじめとする市役所職員の皆さんが豪雨災害のお礼を、ということで倉敷から支援で活用した車を運転して石巻まで持ってきてくださったのです。他にも岡山県在住のの個人ボランティアの方々も石巻まで運んでくださったりしました。石巻と倉敷、宮城と岡山ともに大きな災害を経験した街ですが、これからも協力し合いながら様々な困難を乗り越えていけるのではないかなと思います。

倉敷の皆さんが到着した時の様子(原田さんは左から3人目)

最後に
岡山県、自動車業界とはこの災害を契機に、今後の災害時に県民の方が移動に困らないように協定を結びました。

協定式の様子

平成30年7月豪雨支援は、行政・企業・非営利組織・ボランティアの立場一人一人の被災地への想いと行動が集結した一つの形となりました。以降の災害では、この連携モデルが一つの形となり、これまでとは一回りも二回りも大きな支援を行えるようになりました。連携が大きな力を生む、これを深く体験し、学んだ出来事でありました。

今後とも岡山県をはじめとするご縁いただいた皆様としっかり連携し、災害時にクルマで困らない地域づくりをすすめていければと思います。

平成30年7月豪雨でお世話になった方からのメッセージ


横田様温かく、心強いメッセージありがとうございました!


明日は九州支部設立の契機にもなった令和元年8月の佐賀豪雨支援を振り返ります。